りんごの生産量全国4位の山形県では、さまざまな品種のりんごを生産しています。りんごといえば、自宅で気軽に食べることのできる身近な果物ですが、等級が高いものは贈答品としても適しています。りんごの等級、また大きさについて中心に、保存方法や変色を防ぐ方法についてもご紹介してまいります。
りんごの等級とは?
山形県では、農業経営の安定向上を目的として、等級をつけることで青果物等の出荷規格を統一しています。りんごだけではなく、果実13品木、野菜58品目、花木14品目、加工果実3品目に等級が付けられているので、知っていると求める品質、価格で果物等を購入することができ、失敗を減らすことができるでしょう。
山形のりんごには「秀」「優」「良」という等級がつけられています。「秀」など品位が高いものは贈答品に向いており、「良」も一定の品質を満たしていておいしいりんごですので、自宅用としてもおすすめです。等級の基準については以下の通りです。
- 「秀」…品種固有の熟色が秀でたもの・大きさがそろった物・重欠点果が混入しないもの・軽欠点果がほとんどないもの
- 「優」…品種固有の熟色 が優良なもの・大きさがそろった物・重欠点果が混入しないもの・軽欠点果がおおむねないもの
- 「良」…品種固有の熟色 が良好なもの大きさがそろった物・重欠点果が混入しないもの・軽欠点果がはなはだしくないもの
文章にしてみるとわかりにくいですが、秀>優>良というイメージを持っていただければよいでしょう。重欠点果と軽欠点果については後ほどご説明します。
特秀、秀、○秀と記載することもできる
等級表記については「秀」「優」「良」の他に「特秀」「秀」「○秀」(〇の中に秀と表記)と記載することもできるので、その場合には「特秀」が一番品位の高いりんごということになります。
生産地によっても記載が違うので、購入する時は記載をよく見るように気をつけましょう。
等級を決める要素「重欠点果」と「軽欠点果」
重欠点果、軽欠点果という言葉はあまり聞きなれませんが、りんごの等級を決める上で大切な要素です。
重欠点果とは?
次の項目が重欠点果として掲げられます。
- 異品種が混入している
- 腐敗、変質している、過熟は変質とみなされる
- 病害虫の被害が果実に及ぶ
- 傷がある果実を指し、は裂傷のあるもの又は切傷、刺傷等の生傷若しくは圧傷のある果実、ただし軽度の傷は軽欠点果に含まれる
- その他、人工着色したものや異物の付着なども含まれる
軽欠点果とは?
軽欠点果とは、果実の形が崩れている他、重欠点果に該当しないものを言います。
さびのあるもの、すす点・すす斑病、黒点病、病害虫の被害が皮でとどまっているもの、そのほか外観が見劣りする物などを指します。「良」であっても軽欠点果がはなはだしくないことが基準になっているので、食べるにはなんら問題のないりんごです。
りんごの大きさについて
店頭に並んでいるりんごを見ても、大きさはまちまちで、品種によっても違いがあります。りんごの大きさには明確な規定があり、ネット通販で購入する際3㎏と表記がある場合には何個程度りんごが入っているのか、サイズを知っておくことで目安にすることができます。
また、一概に大きければ甘いというわけでもありませんので、好みの品種、好みのサイズを探してみてください。
S | M | L | LL | |
外周 | 23~25cm | 27~28cm | 28cm | 30~31cm |
重さ | 220 g~ | 320 g~ | 360g~ | 430g~ |
S~LLまで3㎏だと何個?
S…12~14個 M…10~11個 L…9個 LL…8個
Sサイズなどの小さいりんごだと、個数に多少のバラツキがありますが、LLサイズを購入するのであれば3㎏はだいたい8個と考えて問題ないでしょう。
購入後シェアする予定があれば個数を基準にサイズを選ぶのもひとつの方法です。
高級りんごは贈り物に最適
りんごは比較的いつの季節でも手に入りやすい果物ですが、秋から冬にかけて旬を迎えます。
さまざまな品種がありますが、山形で生産されている「サンふじ」は贈答用を選んでも3㎏3,000円前後での購入が可能です。蜜入りりんごとして有名な「こうとく」は3㎏7,000円前後での購入が叶います。同じ果物でもメロンやマンゴーなどを贈答用として選ぶと予算が上がってしまうでしょう。家族みんなで食べられるりんごは、贈答用を選んでも高すぎず、贈り物としても最適です。
りんごの保存方法
りんごを旬にたくさん購入した場合、またいただいた時などはなるべく長くおいしくいただきたいものです。りんごの適切な保存方法と、切った後の変色を防ぐ方法を知っておきましょう。
りんごは長く保存ができる果物でも、冷蔵庫で適切に保存すれば約2ヶ月食べることができます。りんごジャムなど砂糖を使った加工も保存におすすめです。常温保存、冷蔵保存、冷凍保存についてご紹介します。
常温
常温で保存するのなら、風通しのよい場所に置きましょう。りんごの保存は水分を保持することが大切です。常温で保存をする場合には、1つずつ新聞紙やキッチンペーパーなどに包み、ビニール袋に入れます。
冷蔵
気温が18℃以上になるとりんごが傷みやすくなってしまうため、夏場は冷蔵庫に入れた方が良いでしょう。りんごは低温多湿を好み適切な保存温度は0℃~5℃、実は野菜室ではなく冷蔵庫に入れる方がおすすめです。常温の場合と同じく、新聞紙やキッチンペーパーなどで包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫に入れておけば約2ヶ月おいしさを保つことができます。
冷凍
2ヵ月以上長期保存した場合には串切りにして冷凍庫で保管しましょう。半解凍でシャーベットのように食べたり、加熱して食べたりすることがおすすめです。焼きりんごやアップルパイがいつでも手軽に作れます。加熱したりんごが好みの場合には早めに冷凍保存しておいても良いでしょう。
りんごの変色を防ぐ方法
りんごはカットすると、切り口が赤っぽく変色してしまいます。変色は酸化することが原因であり、食べても問題ありませんが、 切ってからすぐに食べない時は色止めを行うと良いでしょう。切ってから長時間たってしまい、カビが見られるような場合には食べるのをやめてください。
塩水につける
塩水につける方法は定番です。濃度0.5~1%程度の塩水(水200ccに対して、塩1~2g)に、1分程度つけるだけで色止めになります。塩分濃度が濃くても効果に違いはなく、濃いとりんごがしょっぱくなってしまうため塩を入れすぎない方が良いでしょう。
はちみつや砂糖水につける
少しでも塩辛くなるのが苦手ならはちみつや砂糖水につける方法がおすすめです。
200ccの水に対して、砂糖なら10g(大さじ1杯強)、はちみつなら40g(大さじ2杯弱)程度が適切であり、つける時間は5分程度です。ほんのりと甘くなるので、塩味をつけたくない時にはおすすめの方法です。
まとめ
りんごの等級と大きさ、また保存方法や変色の防ぎ方についてご紹介しました。りんごは家族みんなで食べられる身近な果物であり、贈答品としても適しています。
秋から冬にかけて旬を迎えるりんごは、お歳暮やお年賀としても選びやすく、他の果物と比べて自宅で長期保存ができるのも喜ばれる点です。
その際に贈り物に適した等級や品種によっても違うサイズ感を知っていれば、お役立ていただけると思います。
贈り物として、またご自宅でもおいしい山形のりんごを楽しんでください。
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